・枯れ木も山の賑わい
誤用例:『久しぶりに同窓会を開きますが、「枯れ木も山の賑わいです」から、先生にも是非ご出席いただきたいと存知まして・・・
***
この言葉は本来、自分の側を卑下して使う言葉である。この例では相手を「枯れ木」に見たてて侮辱したことになってよくない。「溺れる者は藁をも掴む」「腐っても鯛」「猿も木から落ちる」なども目上の人を「藁」「腐った鯛」「猿」に例えた言い方になると当人の前では使えない。
----------------------------------------
・気がおけない
誤用例:『あの人は「気のおけない」人だから、一緒に仕事するにしても十分注意したほうがいいよ。』
***
「気がおけない人」を「油断できない人」の意に解するのは誤り。正しくは「気楽に付き合える人」の意。なお「気が置ける人」は「なんとなく遠慮の気持ちが出る人」の意。
-----------------------------------------
・私淑(ししゅく)
誤用例:『あの作家には私も長年「私淑」しており、今でも時々お手紙をさしあげご指導をいただいております。』
***
「私淑」は、私(ひそ)かにその人を手本として見ならう意。したがって、こうした言い方は誤り。
-----------------------------------------
・寸暇(すんか)を惜しむ
誤用例:『彼は「寸暇を惜しまず」働き、社の発展に貢献した。」
***
「寸暇を惜しまず」というのは誤りで、「寸暇を惜しんで」が正しい。これは「骨身(ほねみ)を惜しまず」との混同であろう。
------------------------------------------
・他山の石
誤用例:『先輩の御教訓を『他山の石」として、これから頑張ってゆきたいと思います。』
***
『他山の石」は、よその山から出た粗悪な石でも自分の玉をみがくのに役立てることができるというのが原義。したがって、このような言い方では先輩を粗悪な石に例えたことになって失礼になる。
-------------------------------------------
・手の平(ひら)を返す
誤用例:『大雪の降った翌日は「手の平をかえし」たような青空となった。』
***
「手の平を返す」というのは、人間の態度が急変する場合に使うことばである。したがって、このように天候の変化について用いるのは誤り。
------------------------------------------
・流れに棹(さお)さす
誤用例:『頑固者の父は時代の「流れに棹さし」、昔ながらの方法を変えようとはしなかった。』
***
「流れに棹さす」は、川の流れに逆らって舟の棹を操るのではなく、流れに従って舟を川下へやる場合を言う。そこから、周囲の成り行きに合わせて物事を進行させる意となる。したがって、世間一般の動向に反してという意でこの言葉を使うのは誤り。
------------------------------------------
・役不足(やくぶそく)
誤用例:『たいへんな「役不足」で、私にはとてもそんな大任は務まりそうにありません。』
***
「役不足」は、その人の力量に対して役目が軽いの意。したがって、このように用いるのは誤り。「力不足」「力量不足」などと言い換えるべきところである。
------------------------------------------
・指折(ゆびお)り
誤用例:『あの都市には世界でも「指折り」の犯罪地帯がある。』
***
「指折り」は、よい意味で有名な場合に限って用いられる言葉である。したがって、犯罪多発地帯のような事柄について使うのは誤り。
----------------------------------------